
人生の中で、時期ごとに必要な食生活がある。
特に体の骨格や運動能力の成長は、6〜17歳の時期がとても重要になります。
今回は、学童時期(6〜11歳)の食生活、生活習慣について考えてみよう!
① 学童期の食生活、生活習慣
② 問題と対策
③ まとめ
① 学童期の食生活、生活習慣

学童時期(6〜11歳)は、全身の骨格の成長がみられ、歯も乳歯から永久歯へと生え変わる時期であります。
消化・吸収力や代謝が高まり、活発に運動することも増え、エネルギー代謝は亢進し食欲旺盛になる。
また、食生活の基礎ができ、食習慣が確立される時期である。
この時期の目標は正しい生活習慣を身につけることである。
学童期の体格指数としては一般的にローレル指数が用いられている。
ローレル指数=(体重(kg)÷身長(cm)³)×10⁷
体格 | ローレル指数 |
やせすぎ | 100以下 |
やせぎみ | 101〜115 |
標準 | 116〜144 |
太りぎみ | 145〜159 |
太りすぎ | 160以上 |
② 問題と対策
生活習慣、食生活などによって、学童期の体の成長は大きく影響を受けます。
今一度、自分の生活を見直していきましょう!
① 生活リズムの乱れ

朝食を食べなかったり、夜遅くまで起きていたりといった生活リズムの乱れがみられる。
現代では、24時間営業の店舗が増えるなど、夜も活動しやすい環境で暮らしているため、生活リズムが崩れやすい。
このような生活リズムの修正には、早起きして太陽の光を浴びたり、規則正しく食事を取ることが役立つ。
② 朝食の欠食

起床時は、体温は低く、エネルギー源になる血中のブドウ糖が少なくなり、脳も体もエネルギー不足の状態である。
朝食を取ることで必要なエネルギーが補給され、体温が上がり、脳が活性化することで勉強にも集中することができ、体も活発に動くようになる。
また、朝食を取ると体温の上昇が日中にピークになり、夕方から夜にかけて下がっていく。体温が下がると眠くなるため、夜は自然に眠りにつける。
しかし、朝食を取らないと体温の上昇時刻が遅くな李 大源、夜になっても脳や体が活発に動き続けて眠くならない。
1日3回の規則正しい食事の繰り返しが生活リズムをつくることにつながる。
③ 必要な栄養素

学童期は、身体的成長が目覚しい時期である。
活動量も増加するため、成人の必要量に近い栄養素を必要とするようになるが、栄養素が偏ることで不足するものがある。
特に学童期に不足しやすい栄養素はカルシウム、鉄である。
この時期は丈夫な骨をつくる時期である。
特に、10代の後半に骨量が最大になるため、骨量を増やすためには、学童期のうちから十分にカルシウムを取る必要がある。
また、鉄は筋肉に酸素を取り込む働きをしている。
鉄を取ることに加えて運動をして筋肉量を増やすと、筋肉への酸素の運搬がスムーズになり、持久力がアップする。
④ 咀嚼の重要性

学童期は、乳歯から永久歯に生え変わり、丈夫な歯をつくるために重要な時期である。
昔の食事は根菜など硬いものが多く、素材を活かした調理方法によって噛み応えのある食事であった。
しかし、現代の食事は加工食品が多く、脂質が多い傾向があり、軟らかい食事になりがちであるため、咀嚼回数も減少している。
成長期の子供にとってよく噛んで食べることは、味覚の形成や食べ物の消化吸収を助けるほか、脳の活性化、食べ過ぎによる肥満の防止、また咀嚼回数が増えることで唾液の分泌が高まり、虫歯の予防にもつなげる。
⑤ 肥満の増加

子供の健康をめぐる問題の1つに肥満があり、それに伴い、2型糖尿病などの生活習慣病になるケースが懸念されている。
学童期以降の肥満は、成人の肥満につながる可能性が高いため、注意が必要になる。
厚生労働省は、肥満の小・中学生の5〜20%にメタボリックシンドロームの可能性があると見解している。
その背景には、不規則な食生活や間食の取りすぎによる摂取エネルギー量の増加、運動不足による消費エネルギー量の減少がある。
ーメタボリックシンドローム暫定基準(6〜15歳)ー
腹囲 | 中学生80cm、小学生75cm以上 または 腹囲÷身長=0.5以上 |
脂質異常 | 中性脂肪 120mg/dℓ かつ/または HDLコレステロール 40mg/dℓ未満 |
高血圧 | 収縮期血圧(最高血圧) 125mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧(最低血圧) 70mmHg以上 |
高血糖 | 空腹時血糖値 100mg/dℓ以上 |
③ まとめ

学童期は、新しい生活を始める人も増え、その中でスポーツを始める人もいる。
成長過程でのスポーツは良い影響を与えることが多いが、家の中で、生活の乱れ、食生活の乱れにより、怪我などをする人もいる。
成長期は、いかに生活習慣と食生活の基礎を正し、成長に必要な栄養素を取るかで、これからの成長での差が拡がっていきます。
学童期と早い段階から、体の成長を考えていくきっかけとなって欲しいです。